ある時のフランス。
エッフェル塔のあたりをウロウロしていた一人の旅の女性。
すると、
「あなたの似顔絵を描かせてください。」
と一人のおじさんがスケッチブックを手に近寄って来た。
以前似たような経験をした事がある。
結果、ボラれる事がわかっていたので断り続けていたら、
「僕は僕のために描く。お金はいらない。」
と言って来たので渋々付き合うことに…
このおじさん、スケッチブックに鉛筆を手にすると
「日本人、かわいいね。君、とてもかわいい。」
と、とにかく褒めまくり。
そして10分程度で出来上がった絵を見てびっくりした!
「に、似てない・・・。」
そこには自分とは似ても似つかない自分がいた。
しかも、とてもいい加減。下手くそな小学生の絵に毛が生えたようなものだ。
そして、あろうことかお金を請求してきた。
「10ユーロね。」
こんなものに絶対お金なんか払うものかと頑なに拒否していると、
「じゃ、5ユーロでいいよ。」
と値切ってきた。
勿論、ビタ一文払う気はないので
「私はとても貧乏です。とても払えない」
と断固拒否を続けた。
すると、おじさんも最後には観念したようで
「ギフト ユー。マイ プレゼント!」
と言ってその絵をくれた。
そんなものもらっても迷惑なだけだ。
その後、丸めて川に流して捨てたのは言うまでもない。